貸切バスの法律と制度を徹底解説!予約前に知るべき法改正や安全制度
公開日:2024年11月29日
貸切バスに関する法律は度々改正されてきました。その理由の一つが、貸切バスの安全性をより高めることです。
2012年に関越自動車道で高速バスが居眠り運転事故が発生してしまったことなどが背景にあります。
貸切バスの安全性を高めるためには、バス会社が徹底した安全対策を講じるための人員と資金が不可欠。そのため、料金制度や安全制度が改正されることになりました。
本記事では、安全な貸切バスを適正料金で利用するための方法について、法律的な側面も含めながら詳しく解説します。貸切バスの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
貸切バスの安全と法律の基礎知識
貸切バスを提供する事業者は、安全性を担保するためにも様々な法律を遵守しなければなりません。
安全な貸切バスを利用するために知っておきたい法律について解説します。
一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス事業)とは
貸切バス事業を行うには、国に届けて許可を得る必要があります。それが、「一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス事業)」です。貸切バス事業とは、乗車定員11名以上の自動車を使用して、一個の契約で1台の自動車を貸し切って運送する事業のことです。
事業者は許可を受けるために、道路運送法に基づく一定の基準を満たさなければなりません。また許可後も、安全に貸切バスを運行するための規定に従う必要があります。
法令に違反した場合は、許可が取り消されることもあります。一般貸切旅客自動車運送事業の許可が取り消された事業所は5年間、許可を得ることはできません。
バス運転者の改善基準告示とは
バス運転手の労働環境を改善するための基準を定めたのが、「改善基準告示(正式名称/自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)」です。貸切バス事業者が、安全に貸切バスを運行させるために、バス運転手の健康や労働環境に配慮するよう基準を定めました。
2022年の法改正でこの基準が見直され、一人の運転手が運転できる貸切バスの運行距離は昼間は500km、夜間は400kmまでとなりました。
また1日に運転できる時間は9時間まで、また4時間以内に30分以上の休憩を取らなければなりません。
この基準を超えて貸切バスを利用したい場合は、バス運転手を2名以上確保する必要があります。その場合は当然ですが、料金もその分だけ割り増しになります。
貸切バスの営業区域とは
貸切バスを利用する時に気をつけたいのが、営業区域です。というのも貸切バスの事業許可は各都道府県に申請するため、その営業区域外のバスを借りることはできないからです。
つまり貸切バスを利用する際には、基本的にはバスに乗車、もしくは降りるエリアに営業所がある事業者から借りることになります。東京から出発して、長野に向かう行程を例にして解説します。
出発地 | 目的地 | 利用可能な貸切バス |
---|---|---|
東京・足立区 | 長野・軽井沢市 | 東京もしくは長野県に営業所を持つバス事業者 |
このケースでは、例えば足立区に隣接する埼玉県の貸切バスの営業所の方が出発地に近く、料金も安いということもあるかもしれません。しかしその場合でも、東京都内に営業所を持つ貸切バスを利用しなければなりません。
貸切バスの料金には、営業所から乗車地までの料金も含まれます。そのため、この場合には長野県のバス会社の貸切バスを利用することもできますが、その場合の料金は2往復分かかってしまう点に気をつけてください。
また東京から長野までを東京の事業者、帰りの長野から東京までの貸切バスを長野の事業者からという具合に、片道ずつ借りることも可能です。しかしその場合も、料金は倍かかってしまいます(それぞれのバスが自分の営業所に戻る分も料金に含まれるため)。
そのため貸切バスを利用する際には、営業区域内で、かつなるべく出発地から最寄りのバス会社に依頼するのが望ましい、ということになります。
安全な貸切バスを選ぶための安全性評価認定
安全な貸切バスを見極めるのに役立つのが、「貸切バス事業者安全性評価認定制度(安全評価認定)」です。
安全評価認定とは、日本バス協会が「安全に取り組む優良な貸切バス事業者」を、星1~3の三段階で認定する制度のことです。
以下の3つの項目を数値化し、評価します。
- 安全性に対する取組状況
- 事故及び行政処分の状況
- 運輸安全マネジメントの取組状況
三つ星を獲得するには、継続的に「高いレベルでの安全確保」に取り組んでいると認められる必要があります。そのため、安全な貸切バスを利用したいなら、三つ星の安全評価認定を獲得している事業者を選ぶのがおすすめです。
各都道府県ごとの認定バス事業者はこちらのサイトから確認できるので、貸切バスを利用する際には参考にしてください。
参考:貸切バス事業者安全性評価認定制度│公益社団法人 日本バス協会
貸切バスの料金体系
貸切バス業界の価格競争の激化に伴い、安全コストが削減された料金設定になっていた場合では、バスのメンテナンス、運転手の人件費や訓練にもお金をかけられず、貸切バスの安全性を保つことができません。
そのため、貸切バス事業者の収入基盤を改善し、安全性をより高めるために、制度改正によって貸切バスの料金体系が見直されました。
この見直しにより、基準以下の料金を設定することを禁じられ、安全コストを確保することが義務付けられました。
新公示運賃額による貸切バス料金の変更点
2023年9月1日から施行された「新公示運賃額」によって、貸切バスの料金体系が大きく変更されました。
<変更ポイント>
- 幅運賃制度の撤廃:これまで上限額~下限額の間で決められていた貸切バスの運賃の上限額が撤廃された。
- 公示運賃額:最低金額が10~22%ほど値上げされた。
改定以前の貸切バスの料金は、下限額と上限額があらかじめ決められていました。しかし新公示運賃額によって、上限額が撤廃されました。これによって、繁忙期の料金など、より柔軟な料金設定が可能になりました。
さらに下限額も、1~2割ほど値上げされました。これまでは下限額で貸切バスを運行させると赤字になるケースもありましたが、これも改善されることが期待されています。この目的には、運転手の人手不足を解消するための待遇改善費用と、安全性能が高い新型バスの買い替えなどに必要な安全対策費用の確保があります。
担当者が知っておきたい安全な貸切バスの選び方
安全な貸切バスを利用するために、担当者は次のポイントを押さえておくとよいでしょう。
- 相見積もりを取る
- 出発地の営業区域内で、なるべく近い事業者を選ぶ
- 安全評価認定で三つ星を獲得している事業者を選ぶ
貸切バス料金の上限額が撤廃されたため、各バス会社や時期によって料金に差が出るようになりました。そのため、貸切バスをできるだけ安く借りたい方は相見積もりを取って料金を比較してください。
その上で安全な貸切バスを選びたいのですが、自分で調べるのは面倒な方は当サイトの「無料見積り」を利用するのがおすすめです。
当サイトでは、安全評価認定で三つ星を獲得している事業者を優先的に案内するため、安心かつ納得できる料金の貸切バス会社に依頼できるでしょう。
安全性… 当サイトの見積りフォームでは、こだわり条件で「安全性」が選択可能!安全性評価認定三ツ星のバス会社に絞ってご案内します。
対応スピード… 見積りから予約までの連絡が速いバス会社を選びます。
速さだけでなく見積りに不明点があったときの対応にも注意しましょう。
料金… 各社から送られてくる見積り料金を比較検討します。
料金の基準になった拘束時間や走行距離など明記されているか確認しましょう。
企業規模… 予約する前に各社のHPで企業規模を確認しましょう。
保有台数、営業所数、創業年数、従業員数などで見極めができます。
安全性… 各社のHPでも安全性の確認ができます。
安全性評価認定を取得しているか、安全への取り組み等を確認しましょう。
中には「内閣官房指定公共機関」に指定されたバス会社もあります。
「内閣官房指定公共機関」とは災害時に国民の安全を守るために、内閣総理大臣が指定した公共機関で、観光バス業界で2社のみ指定されてます。

バス会社HPの例
引用:東都観光バス株式会社
対応スピード… 見積りに納得した場合は予約確認のメールがバス会社から来ます。
予約確定後にコース変更がしたくなることも多いですが、速く柔軟に対応してもらえるバス会社かどうか確認しましょう。
料金… 見積りの料金から大幅に変更がされていないか確認しましょう。
見に覚えがない追加料金が発生している可能性に注意が必要です。
対応スピード… 入金後もバス会社との連絡する場合があります。
例えば、予約確定後に予定をキャンセルしたくなるケースも多いですが、キャンセル料金は14日前から発生してしまうので特に注意して下さい。
もしギリギリになった場合、迅速に対応できないバス会社であれば、キャンセル料が発生するかどうかでトラブルになる可能性もあります。
安全性… 安全性評価認定を受けたバス会社は、バスの車体にセーフティバス用のステッカーを貼り付けているので、現地でも安全性を確認できます。
まとめ
貸切バスを利用する際には料金だけではなく、法律に則って安全性が高いバスかどうかを確認することも大切です。
無料見積りを利用すれば料金が見積もれるだけではなく、安全評価認定で安全性が担保されているバス会社を簡単に見つけることができます。
貸切バスの利用を検討中の方は、当サイトを活用して安全で快適な貸切バスを利用しましょう。
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